二世帯住宅と暮らし方

注文住宅で新築を依頼すると言う方の中には、二世帯住宅で住まうと言う方も多いかもしれません。
二世帯住宅は、年齢の異なる住人がひとつの建物に住まうことから、特に子どもに対してはメリットが大きいと言われています。また家事などを分担できることから、そうしたことに対する負担の集中を避けることができると言うのもメリットです。

しかし同じ住宅に住んでいるからこそ、適度な距離感を保つこと、また相手の生活を受け入れることが求められます。
二世帯住宅の場合、まず注文住宅でしたら建物の構造、部屋の配置に配慮をとることが求められます。また生活の中で使う部屋に関しては、共同利用にするのか、それとも別に利用するようにするのかも重要なことです。それによって部屋数が異なってくるためです。
たとえばキッチンです。年齢層が異なると言う場合、味付けに対する好みにも違いがあることが多いです。そのため同じ料理でも味付けを変える必要があるため、ひとつのキッチンでは不便ということが考えられます。そのようなことを想定したら、お互いの世帯が好きなように利用できるキッチンはあった方が便利ですし、トラブルの予防にもつながります。
それから生活音に対する備えも必要です。子どもがいる世帯とそうでない世帯との間では、生活音の量も、その大きさも異なってきます。
また活動する時間帯、就寝する時間帯に違いがあることも多く、そのため生活音がトラブルのもとになることも少なくありません。生活音が少ないと想定される世帯の部屋を上階に設定するなどの工夫が必要ですが、この場合、その世帯が高齢ですと移動に対する不安が発生してしまいます。この場合は、移動に対する配慮として家庭用エレベーターの導入を検討する、階段の段数や高さに配慮することが求められます。そして生活音が多いと想定される世帯が上階に行った場合には、万全の騒音対策が求められます。
それから断熱対策です。上階にある部屋ほど太陽に近くなるため、温度は高くなる傾向にあります。しかし上階に断熱をしてしまうと、今度は冬場に暖かい空気が上りにくくなってしまい、逆に冬場の光熱費が跳ね上がってしまうことにもなりかねません。断熱と共に、効率の良い温度調節の方法を考えておく必要があります。
注文住宅で新築の場合、初期の段階で必要なことは比較的、導入しやすいです。後になってから必要な場合が出てきたとしても、それができないと言うことも多いので、事前にしっかりと想定しておくことが求められます。