二世帯住宅と間取り

注文住宅で一戸建てを新築するときに、家族構成に対応した間取りを相談してから設計に取り掛かってもらいましょう。設計が始まってしまうと、修正や微調整で工期が長くなってしまい、工事期間に対するコストが多くなる可能性があるからです。
二世帯住宅は家族の話し合いを済ませてからのほうが良いのですが、実際には設計や施工が始まってからのほうが意見を出しやすいのが現状です。やはり自分の目で見て確かめるまでは、想像と現実の区別が容易ではないからです。
想像しながらも臨場感の得られる住まいづくりが、間取りの立体化です。注文住宅の工務店によっては、小型の住宅模型を制作してくれる場合もあります。
住宅模型は本格的に仕上げられるのが特徴で、縮尺率も正確です。住宅模型が制作されるのは、設計が確定してからと言っても良いでしょう。設計が確定して、住宅模型が製作されて、それでもなお変更すべき点が家族から意見として出てくれば、見直すべき価値の高い意見の可能性が高くなります。

新築はゼロからのスタートですが、家族の意見が明確であればあるほど、ゼロではなくなります。技術面で可能か不可能かを判断するのは施工業者です。
二世帯住宅は親世代と子世代で意見が衝突しやすいのですが、話し合いが進むうちに親子の絆が深まる可能性も高いのがポイントです。家族だけで話し合うのではなく、第三者の工務店が入ることもポイントです。第三者が親戚や友人知人などではなく、専門家である点もポイントです。

暮らしやすさを推測するには間取りを把握するのが一番です。住宅模型ならば、明確なイメージを視覚化し、間取りそのものも把握できるのがメリットです。
間取りの形式は4LDKや3LDKなどと記号化されますが、具体的な広さも把握したほうが良いでしょう。キッチンを二世帯分に施工しながら、リビングは大きく広めに設計するのも良い方法です。
親世帯と子世帯でキッチンを持ちながらも、どちらかをパントリーとして機能させたり、どちらかをホームパーティーや共同調理にも応用できる空間にしたりすると利便性が高まります。

同じ間取りでも、目的を明確化させると、違った機能になりますから、家族それぞれの得意分野を、得意な家族が担当できるように間取りを設計してもらいましょう。家族それぞれの動線がポイントです。
二世帯住宅は、それぞれの役割分担と同時に、お互いに意思疎通しやすい距離感も大切です。見たいときには目が届き、声も聞こえる距離感で仕上げましょう。